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8/12(水) ペルセウス座流星群を見よう!

 夏休み期間中、何気なく見上げた夜空で「あっ! 流れ星!」と声を上げた経験はないかな? 夏にはいくつかの流星群
りゅうせいぐん
が活動していて、流れ星の観察には最適な季節。その中でも、毎年8月12~13日のお盆の頃にピークを迎える“三大流星群”の1つ「ペルセウス座流星群」は出現数も多く、まれに「火球
かきゅう
」と呼ばれる“稲妻
いなづま
”のような明るさの流星も飛ぶことがあるので、ぜひ観察してみよう!

2019年のペルセウス座流星群ハイライト動画(流星は実際の速度)。満月近い月明かりがあったうえ東京・国分寺という市街地でも観察できた。1分54秒に編集。29個の流星が写っているが、ペルセウス座流星群の他に、みずがめ座δ(デルタ)流星群、どの群にも属さない散在流星なども含まれている。

流星、流星群とは? そのメカニズム

 まず、流星(=流れ星)、流星群について予習をしておこう。

 そもそも流星は、夜空に輝いている星が突然高速で移動するわけではないゾ。実は、地球の大気圏
たいきけん
で起こる発光現象
はっこうげんしょう
だ。

 ふだん目にする流星群などの流星の元となる物質は、その大きさが直径1mm未満~せいぜい数cm程度の砂粒や小石のような宇宙の“チリ”だ。これらのチリが秒速数10kmという超高速で地球の大気圏に飛び込んで燃えることで、地上から130~70km程度の高さで起こる発光現象が「流星」と呼ばれるんだ。

 「大気圏で燃える」という表現は厳密にいうと少し違って、ちょっと難しい話だが、激しく大気(窒素や酸素などの原子や分子)と衝突したチリが高温で気化し、大気や気化したチリの成分がプラズマ化して発光する、というメカニズムだ。

 ニュースなどで「今夜は○○流星群がピークを迎えます」と耳にすることがあるが、流星群はなぜ毎年同じ時期に見られるのだろう?

 そもそもペルセウス座流星群の元となる流星物質は、133年周期で太陽の近くに戻ってくるスイフト・タットル彗星
すいせい
という“ほうき星”が撒き散らしたチリ。宇宙空間にはその彗星の軌道
きどう
(通り道)に沿って、数多くのチリが円筒状
えんとうじょう

ただよ
い公転している。太陽の周りを1年で1周(公転)する地球が、毎年そのチリのチューブ(彗星の軌道)の中を通過するときに流星群が見られるのだ。チリのチューブは幅があり、中心付近ではチリの密度が濃く、そこを地球が通過するときがピーク(ペルセウス座流星群の場合8月12-13日頃)というわけだ。

今年のピークは8月12日22時頃、1時間あたり何個くらい見られる?

 今年の極大(ピーク)日時は、8月12日22時頃。しかし、この時刻でないとダメ…というわけではないゾ。今年のおすすめ観察日時は、8月12日20時頃~13日夜明けまで。その前後の日も出現数は少し減るかもしれないが、同じような時間帯で観察可能だ。

 極大付近の8月12日夜~13日夜明けにかけては、月の位置や、視界の広さ、空の状態にもよるが、たくさん星が見えるようなよい条件では、1時間あたり30~40個程度見られる予想だ。都会で夜空が明るい場所だと見える数もぐっと減ってしまう。この群に属する流星は、名前の由来のとおり天球上ではペルセウス座のγ(ガンマ)星付近の1点から全天四方八方に飛び出すように見える。この点のことを「輻射点
ふくしゃてん
(または放射点)」という。大気圏突入前の物理的な流星数が同じだとすれば、この輻射点の高度が天頂に近いほど流星数が増え、低いときは減る。

ペルセウス座流星群の輻射点(放射点)=○印。この1点から全天四方八方に飛び出すように見える。流星を見たら、経路の延長線上に輻射点がくるか確認しよう。まずはカシオペア座を見つけるといい。

流星観察のコツ

 「どの方向を見れば良いか?」との質問がよくあるけれど、決して「この方角を見ていたほうがよい」という決まりはないので、見やすいところを見ればOKだ。例えば、夏の大三角でもいいし、カシオペア座方向でもOK。

 コツは、あまりキョロキョロしないで、一方向をまったりと見る感じで、なるべく広い視野を確保することだ。

 輻射点に近いほど見かけ上の流星の経路が短く、離れたところだと経路が長くなる。輻射点は、20時頃はまだ北北東の低い空(地平高度約10度)にあるが、輻射点がこのように低いときは、空の高い位置(例えばこの時間帯では“夏の大三角”付近)などに長経路の流星がビューンと流れることがあり、ラッキーにも見ることができたら感動モノだ。

 下弦の月が昇ってくる夜半前までは、月明に邪魔されない暗い夜空で観察でき、空の暗い山間部などでは天の川も見えるはずだ。時間がたつにつれ輻射点はどんどん高くなり(輻射点のあるペルセウス座は、「W」「M」の字でお馴染みのカシオペア座を追いかけるように昇っていくと覚えておこう)、夜明け前、薄明
はくめい
(夜空が薄明るくなること)が始まる直前には高度60度に達する。全天四方八方に流星が見えるようになり、この時間帯はピーク時刻が過ぎていても実質的に数が増える。

 8月12日は、下弦直後の月が23時17分頃(東京)昇ってくるので(月はちょうど、おうし座のヒヤデス星団とプレアデス星団=すばるの間くらいにいる)、月が昇ってきたら、視界に入らないような方角か、月が建物などにうまく隠れる位置で観察しよう。

輻射点の低い時間帯に「夏の大三角」を貫いた長経路のペルセウス座流星群の流星(左から右へ流れている)。

特大の流れ星「火球
かきゅう
」に期待!

 ペルセウス座流星群の特徴の1つとして、まれに火球と呼ばれる、地上に影ができるほどの大物の流星が出現することもあるゾ(下写真参照)。

 さらに、このような火球が流れたあとに「流星痕
りゅうせいこん
」と呼ばれる淡い煙のように輝く痕跡
こんせき
が見られることがある。ペルセウス座流星群は対地速度(地球大気への突入速度)がなんと秒速59km(時速212400km、 東京-大阪間を約6.8秒!)と超高速なので、大気に激しく衝突するため、流星痕が見られる可能性が高い。流星痕は、数秒で消えるものから数10分以上見えるもの(永続痕=えいぞくこん)もあり、上層大気の気流の影響で時間とともに流星痕の形に変化も見られる。非常に淡い光なので、双眼鏡で見ることができたら神秘的だろう。

ペルセウス座流星群の火球。-8等級で一瞬空全体が明るくなり、地上に影ができた。このあと流星痕(永続痕)が出現。右上にあるのがMの字型に見えるカシオペア座。

上写真の火球にともなう流星痕。上層大気の気流で流星痕の形が時間とともに変化していった。

(文・写真/井川俊彦)

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