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ペットとしても大人気!ウサギの食事を学ぼう【後編】

 学校で飼育されているウサギとふれあっている子も多いと思いますが、じつはお家のペットとしてもウサギは大人気。子供の科学編集部にも、飼っているウサギの話を書いたおたよりが届くことがあります。

 そこでここでは、ウサギを飼う上で絶対知っておきたい食事のことについて紹介しましょう。これからウサギを飼ってみたいという人はもちろん、学校の飼育係になったときなどにも役立ちますよ。

 前編では、ウサギの生態から必要な食事を見ていきました。後編では、実際にどう食事を与えたらいいのか、毎日のメニューの例を紹介しましょう。

定番の食事メニューと与え方

1 基本の食事メニュー

 ウサギの食事内容は時代とともに変化しています。これからもウサギの食事と栄養への知見が増えるにしたがってよりよい方向へと変わっていくでしょう。ここでは現時点で、大人のウサギに与える定番の食事メニューをご紹介します。

 まずはこの食事内容を基本とし、ウサギの個性、飼い主の考え方、かかりつけ獣医師のアドバイスなどを参考にしながら、「わが家の食事メニュー」を考えていくといいでしょう。

 日々の食事がウサギに与える影響はとても大きいものです。よい食習慣をウサギの暮らしに取り入れていきましょう。

1-1 牧草 ウサギの主食

 ウサギにとって最も重要な主食となるのが牧草
ぼくそう
です。歯や消化管の健康のためにも、時間をかけて食事をするというエンリッチメント(2-2-4参照)の面でも大切なものです。定番の牧草はイネ科のチモシーで、大人のウサギには「一番刈
いちばんが
り」を与えるのが基本です。

牧草の代表ともいえるチモシー(一番刈り)
【量】

 イネ科の牧草であれば与える量は無制限です。いつでも食べられるように常にケージ内に用意しておきます。与えた分を食べきっていなくても、新しいものに入れ替えることで目先が変わってよく食べることもあります。

1-2 ペレット 栄養の補助に必須

 牧草だけでは不足しがちな栄養素の補給として欠かせないものです。栄養バランスに優れています。

【量】

 現在推奨
すいしょう
されている量は、大人のウサギの場合は体重の1.5%ですが、まずは規定量
きていりょう
を与えるようにしてから徐々に量を加減していきます。

1-3 野菜類 バリエーション豊富に

 本来、野生のウサギはいろいろな種類の植物を食べています。食事内容のバリエーションを増やすのに、年間を通じて多くの種類を入手することのできる野菜はおすすめです。毎日、3~4種類くらいを、種類が
かたよ
らないように選んで与えましょう。ハーブや野草もよいでしょう。

【量】

 食べやすい大きさに切ったうえでカップ1 杯分くらいが基本量です(大人ウサギで、体重1kg あたり)。

1-4 おやつ コミュニケーションのために

 体のことだけを考えれば牧草とペレット、そして野菜類を与えていれば問題はありませんが、ウサギと飼い主との楽しいコミュニケーションツールとしておやつを与える時間も楽しみましょう。

【量】

 おやつの種類にもよりますが、与える量はごく少量が基本です。

1-5 水 いつでも飲めるように

 きれいな飲み水を常に用意しておきます。給水ボトルを使って与えるのが基本です。

【量】

 水分の多い野菜類をたくさん与えているとあまり水を飲まないこともありますが、飲みたいときにはいつでも飲めるようにしておきます。

1-6 基本メニュー

 イラストがウサギの一日の食事例。体重が1.4kg のウサギにペレットは21g(体重の1.5 %)、牧草は食べ放題、野菜類、おやつにリンゴを与え、新鮮な水を給水ボトルで与えます。

2 食事の基本的な与え方

2-1 食事の時間帯と回数

 本来のウサギの活動時間に合わせて、朝と夕方~夜の2回、与えるのが基本です。

 食事を与える時間はだいたい決めておくことをおすすめします。動物には「摂食予知反応
せっしょくよちはんのう
」があります。いつも決まった時間に食事を与えるようにしていると、それが体内時計に刻まれ、食事の予定時間になると消化酵素
しょうかこうそ
分泌
ぶんぴつ
が活発になるというものです。

 朝よりも夜のほうが活発で消化管の動きもよいので、夜のほうが多めに与えるといいでしょう。

【与え方の一例】

◎朝
ペレットを一日の量のうち4割
牧草を新しくする
飲み水を新しくする
◎昼
牧草が減っていれば補充
◎夜
ペレットを一日の量のうち6割
野菜
牧草を新しくする
飲み水がなくなっていれば新しくする

2-2 食事内容と健康チェック

 与えている食事内容がそのウサギにとって適切かどうか、日々の健康チェックを行いながら判断してください。

 近年よくみられがちなのが、ペレットの量を
ひか
えめにしすぎてウサギが
せてしまうというものです。しっかりした肉付きのよい体型を目指し、必要に応じてペレットの量を加減してください。

 便の大きさが小さくなっているのは牧草を食べる量が減っている場合もあります。動物病院で診察を受けることを視野に入れつつ、牧草をよく食べてくれる工夫をしてください。

2-3 食事バランスガイド

左がウサギ、右が人間の食事バランスガイド。

 食事バランスガイド(右)は、健康な人に対する食事の望ましい組み合わせとおよその量をイラストで示しているものです。コマの形をしていて、上から主食、副菜、主菜、乳製品と果物、軸の部分が水となっています。

 これをウサギに置き換えたウサギ版食事バランスガイド(左)を作ってみました。最も多く必要なものは牧草、そしてペレットと野菜、おやつが少しだけとなっています。コマがきれいに回るようなバランスのよい食事を与えましょう。

2-4 食事と環境エンリッチメント

 「環境エンリッチメント」とは、動物福祉
どうぶつふくし
の立場から、それぞれの動物が本来もっている行動を引き出すことができるよう、飼育下にいる動物たちの暮らしを豊かにする環境を作ろうという考え方のことです。そのひとつに、野生下での行動レパートリーを再現させるというものがあります。

 ものの食べ方は動物種によってさまざまですが、野生のウサギの場合、一日の多くの時間を食事のために使っています。ペレットは栄養面では優れていますが、食べるのに時間がかかりません。ウサギの主食として牧草が推奨される理由のひとつには、「時間をかけて食事をする」という行動レパートリーが再現できるということがあります。

 また、好物の与え方を工夫することで、「食べ物を探す」という行動レパートリーをウサギの暮らしに取り込むこともできるでしょう。

ペレットは補助的な主食

 ペットに与える固形の配合飼料のことを一般にペレットといいます(ウサギ用のペレットはラビットフードとも呼ばれますが、ここではペレットとします)。

 ウサギにペレットを与える大きな目的は、栄養バランスのよい食事を与えるため、主食である牧草だけでは不足しがちな栄養を補給することにあります。

 一般に、ウサギ用のペレットは、牧草や穀類などを粉砕
ふんさい
したものにビタミンやミネラル、そのほかの栄養素を添加
てんか
したものです。近年ではウサギを健康に長生きさせることを目的としたペレットが各メーカーで研究開発され、とても多くの種類のペレットが市販されるようになっています。

 ペレットは、栄養面の重要度を考えると牧草と並ぶ「主食」のひとつといえますが、食べ放題を推奨する牧草とは違い、与える量には制限があります。

(文/大野瑞絵 写真/井川俊彦 イラスト/川岸歩)

おすすめのペレット

メディラビット ハニープラス

内容量400g/1kg

 好評のメディラビットシリーズに新商品が登場しました。ウサギが食べやすいソフトタイプのペレットに“はちみつ”を配合。“はちみつ”は、健康維持
けんこういじ
面でとても注目されています。“はちみつ”をプラスしたことで嗜好性
しこうせい
が上がり、食欲をそそります。国産品です。

モンラパン

内容量 850g

 ペット用ウサギに最適な栄養バランスと健康維持成分を配合したオールステージ(全年齢対応)のフードです。 腸まで届く生きた乳酸菌と酪酸菌
らくさんきん
を配合したプロバイオティクスフードです。食物繊維
しょくもつせんい
海藻
かいそう
・パパイヤ抽出物が毛球
もうきゅう
(ヘアーボール)の排出
はいしゅつ
を助けます。

おすすめペレットの詳細はこちら
●お問い合わせ 株式会社ニチドウ TEL03-3694-2710(代)

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※本記事は『新版 よくわかるウサギの食事と栄養』を編集したものです。

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